作られた物語ではなく、風のような歌を。
依頼されたブツを制作中なり。
まあどう見ても、そんなに上手いわけではない。
なんだか、無邪気な子供が描いたような。
でもなぜか、心を打つのです。
自分にはどうしたって描けない、絵と言葉。
テクニックとしては真似できても、魂は宿せない。
そして、これを欲する方が皆、心が澄んでいるという事実。
今まで様々な形で制作しつつ、いつも思うこと。
私は人生で何を描いてきたのかということ。
無垢な心に勝つ術はなく。
「自分もこんな風に生きられれば。」
と、その都度思っては、時が経ちまた忘れていく。
思えば、自分が心を奪われた一番の出来事は、
出会ったばかりの相方さんが挨拶代わりにくれた、
簡単な墨絵と筆文字だったことを思い出す。
あれは衝撃だった。
とても感動した。
自分が失ってしまった、
まっすぐで無垢な魂だった。
五十嵐大介『リトル・フォレスト』が実写映画化。
映像も音楽もストーリーも、眠たくなるような心地良さ。
朝起きて、昼働き、夜はホッコリする。幸福な人間の暮らし。
色々あっても、
時代は自然と巡りゆく。
人それぞれの無垢な心に。