COFFEE ROASTER以前、ダイジェスト①
先ほどブログにて確認した所、
グランドオープンは2007年7月7日。
初めて行ったのは、開店2年目の時だったはずなので、
つまりはもう4年も前になるわけか。
地元のとある多国籍的で洒落たCafeで、
白楽は六角橋商店街のチラシを見つけて、
「有名だけど、行ったことないよね、六角橋商店街。
面白そうだからとにかくブラブラ行ってみようじゃないか!!」
と向かって、ブラブラ散歩。
一通り商店街を歩いた後に、
「一番気になったのはここだよね!!」
と、相方と珍しく意見が一致したのが、
この珈琲屋だった。
どっしりと重厚で、
粋な店名もさることながら、
店自体に物凄く存在感があり、
マスターも物静かながら貫禄があり、
まさかまだ開店2年目でしかないとは思えなかった。
初めて見るサイフォン。
理科の実験のような器具で淹れられる、
摩訶不思議な珈琲。漂う香りは格別だった。
それがフラスコのままテーブルに持って来られる。
何も言わずに去るマスター。
後はお客様のご自由に。
他に何も起こらない。
特に何もしゃべらない。
ただ店に居るだけ。
静かに珈琲を飲みながら、
空色が変化していく天井を見つめ、
マスターが毎月綴っている珈琲ニュースを読む。
ただそれだけでこんなに心が豊かになれる。
衝撃的だった。
今思えば、この時だったかもしれない。
珈琲屋としての生き方に気持ちが傾いていったのは。
自分の心の中にある静けさを演出出来たら…。
そういうエンターテイメントの方法があるのだとしたら…。
その夜、これまた克明に書かれている、
マスターの読み物三部作をガッツリ読み込み、
一筋ではいかなかった、多難な人生の物語を知る。
その後何度も行った。
マスターとはあまり話さなかった。
ただ一日中店に居続け、相方とひたすら、
今後やりたい喫茶店の妄想話に花を咲かせては、
店内を見回して、ニヤニヤしていた。
ボンボン時計の音を何度聴いたか。
マスターは何も言わないけど、
この店にはとんでもない秘密がある。
このエンターテイメントは全て計算されている。
それはもちろん、いい意味で。
そんな所が、超エンターテイメントだ!!!!
と、感銘を受けたわけです。
「こんな店が淡路島にあったら絶対大繁盛するよなあ!!」
って、その時からよく話していた。楽しい夢の時間だった。
自分たちの先行き不明な人生に、一筋の光明を与えてくれた、
初めての店が、この『珈琲文明』でした。
まさに‘文明開化’したっちゅうわけです。
そんなマスターが敬愛する、
心の師匠が営む珈琲屋が、実は地元にあると知って、
「まさかそんな店が!!??全然知らんぞ!!!!」
と、いそいそ向かったのが……。
(次回につづく)