名作のオススメ。
素晴らしきはバッハ門下の先輩、
‘陽のあたる道’のマスターI飼さんに、
中米旅行時に勧められた漫画があった。
尾瀬あきら著『夏子の酒』(講談社)である。

自分もその一人。しかし今まで読む機会はなかった。
モーニングに連載されたのはもう20年も前。
しかし描かれている内容は少しも古びていない。
まるで期待せずに読み始めたものだから、余計に衝撃を受けた。
このリアリティはただ取材しただけでは決して出ないだろう。
新潟の小さな蔵元で、日本一の日本酒を作ろうとする一人の女性と、
その強い気持ちに導かれ、変化していく仲間たちを描いた物語。
特に、酒作りに賭ける職人たちの生活描写はとことん細やかで、
身に迫るものがある。気概ある古き良き日本人の姿。
この気概は、まさに珈琲作りにも通じる。
20年も前に、日本のどこかで、
こういう世界が現実として存在していたのだろう。
酒作りに必要な米、それを作る農家、歪な制度を押し付ける行政。
今でも変わりなく続く問題点も沢山語られている。
変わらない日本。
都会と地方。人々の価値観。
今ある原発の問題も根っこはまるで一緒なんだと思う。
今読んでいる文庫本版は6巻まであるようだ。
読み終わったのは3巻まで。残りどのように話は進むのか。
(設定描写の1巻を終えて後、2、3巻でガッツリ心を掴まれたわ~。)
この物語が描かれて早20年。
物語の中の問題を、現実の舞台で闘い続けている人は沢山いるのだろう。
そういう気概も学びながら、真摯に珈琲と向き合っていきたいものだ。
自分がこれから行こうとしている島にも、その実問題は山積みだから。
珈琲のことだけ考えていたら、きっと潰される。
相当タフじゃないと、必ず自分から潰れる。
それはさておき、
珈琲業界関係者はもちろん、
秘めたる熱き日本人魂に触れたい人全てに、
是非に是非にオススメしたい漫画作品です。
尾瀬あきら著『夏子の酒』(講談社)
(↑アマゾンでも評価高いね、さすが。)
漫画自体も丁寧に丁寧に作られた良書です。
田園描写が美しい!!素晴らしい職人芸です。
いやあ、いい作品を教えてもらったな。
I飼マスターに感謝です!!マジ。
資格勉強もガンバロ~ッと♪